トレーニングは、負荷→栄養→休養、の3種目を完走してはじめてゴール。真ん中の栄養は原材料であり燃料。その長距離アスリートに向けた最新見解をデイブ・スコットが2020/01/01あけおめYoutubeで説明している。
全体にプチ断食と(良質な)脂質重視という最近の流行りに沿っている中、新情報は、「トレーニング直後には補給するな」という点だ。成長ホルモン分泌を目的とする手法で、過去常識である「30分以内はゴールデンタイム」論の逆転になる。
数分間の動画で、"日常生活で差をつける栄養とトレーニングのヒント"がタイトル、「新年だし試してみれば?」程度のヒント集。結論と短い説明だけで。真の根拠はDave Scottの名前です!といったところだけど、実際それだけでもかなり強い。
要点:
- 甘い飲物NG
- 精製油(サラダ油とか?)を、アボカドやココナッツなどの良質な(高価な!)油に
- 朝食を遅く=12−15時間のプチ断食へ
- 間食しない、食事後3−4時間は空ける、どうしても空腹ならナッツなどを少しだけ
- トレーニングは全身連動する運動で終えて、終了後すぐには補給するな
- 1杯の辛口ワインやダークチョコレートを楽しむ
プチ断食
3,4は、間欠的ファスティング、プチ断食などのメソッドと共通する。3.朝食時間は、12時間の断食の場合、夜8時に夕食を終えて朝食は早めに出社してからオフィスで8時開始でOK。田舎とかではわりと普通な生活かと思い、僕も実家は夜7時/朝7時な感じ。
あるいは、夜9時食べ終わり/昼12時=朝食抜き。育ち盛りの子供だとダメなやつで(そもそも高校生の競技は長くてもラン10km、糖質だけで済む)、Daveは大人向けのアドバイスなので。長距離慣れして脂質代謝力が上がっていればけっこういけると思う。僕もエネルギー過剰気味な場合にそうすることが多い。
※動画では触れてないけど、朝食前やや軽めトレーニングも、その効果があるはず。
間食禁止とプロテイン補給法
4.間食禁止は、満腹ホルモン「レプチン」と空腹ホルモン「グレリン」の最適化により、成長ホルモン系を最大利用することが目的。この対象者は、プロテインをこまめに摂っている人。考え直していいかもしれない。
似たことを言っていたのが、去年秋に来日した自転車選手アダム・ハンセン。プロテイン摂取について
「プロテインは、トレーニング直後に集中配分して摂れ、小分けし過ぎるな」と言っていた。これは僕も直感的にそんな気がする(僕の場合はプロテインではなく自然食品だけど)。ボディ・ビルダーとかならこまめに摂ることで吸収量の上限を攻める必要もあるのだろうけど、長距離は別の競技。

トレーニング直後には補給しないほうがいい
注目は5.つめだ。よくジムとかにプロテイン入りボトルなど持ち込み、終了直後に飲んでいる人がいる。そうするな、という常識逆転になる。目的は、ヒト成長ホルモン、テストステロン、などの超回復ホルモンを分泌させること。
まずトレーニングでは、全身の筋肉を連動させる動作で締める。たとえば正しいスクワットがそうらしい。スイムだと壁をけらない25mダッシュとかどうだろう?
その上で、
「すぐには栄養補給しない」すぐって何分だ?て思ってしまうアナタは、もしかしたら、平成までの旧常識に毒されているかもしれない。笑
去年書いたブログ ↓
"タンパク補給の新常識を知っているか? -『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』 (庵野拓将, 2019)書評"を今一度お読みを
- 昔: トレーニング後30分以内の「ゴールデンタイム」にタンパク質を摂れ
- 最新: トレーニング後1〜3時間ほどが筋タンパク質の合成速度が最も高く、少なくとも24時間は有効
トレーニング直後の出し尽くした感覚の中で、
「ホルモン出てるぞ! これがホルモンだ!」と、しばし味わえばいい。
スポーツ科学とは、このようにひっくり返ることが結構ある。その程度のものだから教科書どおり忠実に実行する意味はあまりなくて、参考程度にすればいい。それが昔からの僕の考え方です。わかっていることは活用する、自分の感覚を磨くために。
平成までの旧常識をアップデートしよう。
プロテイン使用の必要性を感じない僕としては、ナッツ小袋わけ+豆乳ミニパック、の組み合わせが、外出先で便利だと思っている。
自己ベスト更新するために新しいことを試す必要があると思います。よい勉強になりました。ありがとうございます。
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