2019/03/24

日本の「幸福度ランキング」を急改善させるのは「ふるさと納税」である?

日本の幸福度が低い、というニュースが先日大きく流れ、「日本は人生の自己決定度と社会の寛容度が低い」等々と解説されてた。だがそれを伝える日本語メディアは決定的ミスをやっちまってる模様である。原典を確認していないのだ。
この文章では、それにより生じる誤解を説明した上で、「ふるさと納税」の(ある種の)活用によって日本の「幸福度ランキング」を急改善させる道を示したい。

1.報道内容

たとえば朝日は「日本の幸福度、過去最低の58位 「寛容さ」足引っ張る」とのタイトルで、
❝ 国連の関連団体は20日、今年の「世界幸福度報告」を公表した。日本は156カ国・地域中58位で、昨年より四つ順位を落として過去最低となった。これまで40位を上回ったことがなく、4年連続の50位台となる。❞  (朝日新聞 2019.3.20) 
等々と伝える。この記事の内容自体は、日本のメディア報道の中でも、かなり正確に伝えている方だと思う。

この調査方法は、
❝ 現在の生活の満足度を「0~10」で答えたもの ❞
まずここがベース。この調査はアメリカの大手調査会社ギャラップ社による。
その数字について、国連系の団体が
❝①1人当たりの国内総生産(GDP)②社会的支援の充実ぶり③健康寿命④人生の選択の自由度⑤寛容さ⑥社会の腐敗の少なさ、の6項目を用いて分析を加えた❞
のがこのレポート。この中で、日本は④と⑤が低めだ。


2.考察

まとめると、

A) 日本の幸福度が低い理由とは、日本人が現在の生活の満足度について高い数字で答えていないから。単純明快。

B) ではなぜ低いのか?とこのレポートで分析したら、④人生の選択の自由度⑤寛容さ、が低いからだと推測したということ。ここまでが、事実だ。

ここから考察に入る。
 Shiawase3.0シンポジウム(2019.3.21)発表して自転車で帰る途中のレインボーブリッジ

まずA) 日本の回答数値が低い件について、たとえば、newspicksのコメントをみると、おすすめのコメントの吉田諭史氏が
❝ 日本、香港、シンガポールは満足度調査で値が低く出る傾向にあるのです 
とズバリな回答をされてる。

あらゆる調査に低く回答するのだとしたら、たとえばスタバのラテを同じくらい大好きでともに毎日飲んでる人に「スタバどれくらい好きですか?」と聞いたとき、フィンランド人なら10点中10点と答えて日本人なら7点とか答えるってことだ仮にこの場合、日本人の回答には一律に3点を上乗せしないと、正確な比較はできない。

僕自身、ドイツ系のIT企業で研修事業を担当してた時に、「日本人の満足度は低いのに、なぜそんな儲かってるんだ?」という本国の質問に(ドイツ人相手なのでロジカルに)説明を迫れらたものだった。「日本人は5点を真ん中に評価するのに対して、カトリックの国(=楽観的なひとたち)では10点満点からの減点法で評価してるんじゃないでしょうか。」との吉田氏指摘は、まさにそんな感じ。たしかフィリピンだったか、満足度はかなり高くて全然儲かってない支社があったりで。

次にB)の分析について。
「人生の選択」「自由度」「寛容」といった概念が問題である場合、最初にするべきは。用語の定義を明らかにすることだ。中学高校だって国語でそんな感じで習うよね? 少なくとも大学のレポートではキツくいわれるよね?

以下、⑤の寛容さについて、検討を進めてみる。


3.原典では?

定義を調べるには、まず「一次情報」を当たるのが基本。少なくとも大学では習ってることと思う。中学高校でも、たとえば社会科とかでそんな感じで教わってることだろう。そこで検索すると、2回以内に原典 "http://worldhappiness.report/ed/2019/" がヒットするはず。

さっと眺めれば、第5要素「寛容」の原語は "Generosity" だと即わかるだろう。

そこで、MacならCommand+Fのショートカットキーでページ内検索かけると、 "Generosity" の定義はEnterキーを数回叩くだけで出てくる。
❝ Technical Box 1: Detailed information about each of the predictors in Table 2.1 
Generosity is the residual of regressing the national average of GWP responses to the question “Have you donated money to a charity in the past month?” on GDP per capita.❞  (Chapter2)
ここまでは、英語の中身までほとんど読まなくても、たどり着けるはず。

このあたりから、ようやく中身を読み始めるわけだけど、まずはGoogle先生のお出ましだ。すると、
❝ 寛大さとは、一人当たりGDPで「過去1ヶ月間に慈善団体に寄付しましたか」という質問に対するGWP(=ギャラップ社の意識調査)の回答の全国平均を後退させた残差です 
と惜しい感じなんだけど、後退=Regression=回帰分析、統計用語なので、それさえ騙されなければだいたいわかる。
http://worldhappiness.report/ed/2019/

4.真実

「せんせい、わかりました! 日本人は、あんまり寄付しないよね、という話ですね!」 
「ハッタくん、よくできました!」
かどうかはともかく、この点、国連レポートの作成者はよく理解されていて、上記の朝日記事でも(登録読者むけ部分で)、
❝ 報告の編集者で、カナダの経済学者であるジョン・ヘリウェル氏は取材に「日本の点数が低いことは、ある程度、回答スタイルによるものとみられる」と回答した。その上で、「多くの震災やフクシマの件でわかるように、日本には互いに手を差し伸べ、助け合えるつながりの強さがある」と指摘。その特長を知ることが、幸せにつながっていくとの認識を示した。❞
と、日本ではおカネの寄付のかわりに、人のつながりによる支え合いが機能していることが説明されている。

つまり、
  • 日本以外の(たぶん欧米キリスト教系の)社会では、おカネの寄付金額と、社会全体の幸福とは、関係が深い
  • でも日本では、この指標はあんまり正しくないかも?
と示唆してるようなものだ。

ここまで調べている朝日の記事は、かなり的確だといえる。(同志社大の八木匡教授の自己決定についての指摘も納得できるものだし)

問題は、「寛容」の定義の問題を記事で伝えられていないこと。この記事だけ読んだ読者は普通誤解するよね?


5. 伝言ゲーム化

そして、この結論一行だけが、独り歩きし始める。
インテリ風な方々が、「日本社会の寛容さとは」と、自説を主張しながら。

いや主張は構わないんですが、それ伝言ゲームですよ、と一言お伝えしたく。。

ちょうど、大阪の地下鉄が、堺筋(さかいすじ)線=サカイ・マッスル・ライン、とかのド直訳をして笑かしてくれたばかりだけど、状況としてはそれに近い。

結論1. 「寛容度」を急改善させる方法

❝ 一人当たりGDPで「過去1ヶ月間に慈善団体に寄付しましたか」という質問に対する回答 ❞
それが寛容度の正体であるのなら、ふるさと納税によって解決するのではないか?

そもそもふるさと納税とは、「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」との問題提起から始まった、都道府県、市区町村への「寄附」なのである。(総務省ふるさと納税ポータルサイトより)寄付金だけ税金引いてあげるよ、という制度だ。

高級牛肉やら鰻やら高級フルーツやらAmazonカードやら贈ってくれる地域があるなら、それを「心のふるさと」と呼んでも、そんなに変でもないよね? 政府がふるさとだと認定してるんだし。

そして自治体は公益目的で運営されるので、「慈善団体」に準じた扱いをして構わないはずだ。

ならば、あとは回答者の意識次第。
「大阪方面から届いたAmazonギフトカードの、慈善団体的なのに寄付したお礼だよね? だから寄付した、て答えていいよね?」
と日本人が一斉に考え始めれば、寄付、すなわち「寛容度」の項目が一瞬で急上昇するのは確実だ。
※金額ではなく、したかどうか、のようなので、そこ訂正
年末に駆け込むケースでは、それ以外の時期に調査すると外れるけど、そもそも年末駆け込みだと届くのも集中して牛肉が冷蔵庫はいりません!てなりがちだし笑、やはり毎月定期的に寄付していただいた上でですね笑、、ぜひこのブログを日本国民のみなさまにお読みいただき、日本国の名誉を回復してもらいたいと切に願う次第である笑笑

で、ここがクリアされたとして、次どうなるか?
「次の問題は自己決定だ! いや日本人は堂々と満点を付けるべきだ! 自己肯定感が低すぎる!」と弱点を解決する方向に向かうか、それとも、「こんな雑な調査で一喜一憂しててもねー」てなるか? どっちの態度が幸福でしょうか笑

結論2. 英語で調べよう! 

そもそもなんでこうなるかと考えると、日本の大手メディアさん、「一次情報を確認する」という基本をサボることが多い気がする。特に英語の場合には。

僕はこれSNS上の非公開のやりとりで知ったのだけど、(教えていただいた方々ありがとうございます) 僕自身もスポーツ関係とか英語で原典に近い情報を探ることはわりとあって、習慣としてサクサクできるほうだと思ってるので、通じるものがあるなとブログに書いてみた次第。

このレポート内容について詳しいわけではないので、間違い等あればご指摘くださいませ。

まとめ:英語で調べよう!
ちゃんと読まなくても、わりとわかるIT環境あるんだから!

2019/03/23

"長距離スポーツの糖質制限" と "強度" との関係

"糖質制限×スポーツ" という世界的トレンド

昨冬のセミナーを記事化した→ 「“糖質制限 × 長距離スポーツ”の教科書 by 小谷修平」 ←は、僕が参加してるウェルビーイング・ラボ by MAKES の記事で最も読まれていて、閲覧数トータルで万に行ってるそう(表示される閲覧数は一定期間)。 GARMIN4個あたるキャンペーン でもコメントが多い。

小谷さんは、24時間で東海道新幹線ほぼ東京ー浜松間(257.1km)を走るために、このレベルの方法論を必要としていたわけで、そのストイックさにみなさん驚かれるわけだけど、"糖質制限による脂肪活用" という手法は世界のスポーツ界での一つのトレンドでもある。テレビCMのコミットしてるアレだけではないのだ。

そこで自ら試みる市民アスリートさんも周りに目立つのだけど、よくある落とし穴は「トレーニング強度」を許容限度を越えて落としがちな点かなと思う。この文章ではこの件について僕の考える現状認識と対応を書く。

世界のトレンドの一端が、トライアスロン界の生ける伝説、デイブ・スコット(Dave Scott)65歳。その脂肪食理論について、4,000字の記事「世界の長距離スポーツ理論 by デイブ・スコット」2019.03.19で書いた。みなさん関心高いようで今時点のFacebookシェア17 ↓ ↓ ↓


事例

この記事↑ ↑ ↑でも少し紹介したのが、2018年アイアンマン世界選手権エイジ8時間24分のコース記録だしたダニエル・プルーズ(Daniel Plews)教授だ。低糖質高脂肪食(LCHF)によって脂肪活用力を高めて、毎分1.2 g/kgの脂肪酸化力を獲得、これ運動不足な一般人(毎分0.28g)の約4倍、通常の市民トライアスリート(0.53g)の約2倍だ。

なお練習量が豊富なら、脂質活用能力は、何食べてようが(ある程度は】上がる、という面はある。彼の量の積み方は ブログ にも(英語で)書かれていて、日本語ではパパサラリーマンさんブログ 「IRONMAN 一般人の世界新記録で優勝した王者の練習!質も量もハンパじゃない…」 で説明されている。

ただ、これだけできる人もそうはいないし(Plewsさんもそれ続ける気はないらしいし)、彼が指導する市民トライアスリートもそこまでできないだろう。想像だけど、彼には自分の考えを圧倒的結果による証明したい、という動機があり、仮にこれだけの量は不要だとしても、万全を期して徹底的に準備をしたかったのでは?て気もする。

失敗してませんか?

自ら試して人で、それで長く続けられていて、成果も出てるのなら何も言うことはない(おめでとうございます)。ただ、うまく適応できてない人は結構多いはず。

それ、もしかして「手法に縛られている」かもしれない。
そうではなく「目的から考えよう」という話をしてみたい。

(2019幸福学学会発表の帰り道、レインボーブリッジより)

小谷さんの場合、徹底した低糖質食へと適応するまで、1度の失敗を含めてガマンの期間がある。そして良質なトレーニングができるようになるまでに3ヶ月の時間をかけている。
ただそれは、それだけのメリットが小谷さんには存在するからだ。 エネルギー産出工場を作り変えることができれば、劇的な効果が見込まれる競技だから。

でも、あなたが今ここで考えるべきは、「程度の問題」ではないだろうか。

基準を明確に

ロングのトライアスロン、あるいは100キロマラソンぐらいなら、そこまで徹底的に身体改造するメリットは、そこまではないことが多いはず。(本当に何も食べれない!とかの方は例外ね、当然)

つまり、優先順位を間違えてはいけない。目標達成のためにまずスピードが重要な状況にあるのなら、 「練習の強度を維持する」ということをまず優先するべきではないか? そこをクリアできる範囲内で、摂取糖質を下げ気味にしてゆく、というアプローチだ。

優先順位について考える場合にもう1つ重要なのは、時間軸。
あなたが今、優先すべきものは何か?ということ。勝負レースまでどれだけの時間があり、どれだけ冒険(or 遊び)を混ぜられるか?ということ。

優先順位は?

僕の印象を書いておくと、多くの市民アスリートは、単純にスピード不足ではないかな?という気はしている。スピード=パワー×技術。
たとえば…「ハーフマラソンまでは得意だけど(or 合計25kmのスプリント・トライアスロンなら強いけど)、持久力がないし、レース中に補給不足になるんです」
といったケースでなら、エネルギー問題を優先的に解決することが合理的なのだが。

で、あなたは「ハーフマラソンなら速い人」ですか?

これら理解した上で、
❝ そのほうが結果的には楽じゃないか?と直感的に思うんです。一気に減らしたほうが、早く適応できるからです。人は緩やかな成長より、変化が急激な方がおもしろいのではないでしょうか。❞

といった考えに心理的・精神的に共鳴するのなら、それは合理的な判断。
ただ、そういった状況認識や戦略なくして漫然とマネをするのならば、結果も出ないし、何よりやっててHappyでもないことだろう。

実体験

これは僕自身の僕自身が経験した話でもある。
トライアスロン開始3年、始めてハーフ113km, フルアイアンマン226kmへとチャレンジした2013年シーズンでは、
  • 「目標の練習スピード」をほぼ唯一の基準に
  • その範囲内で、「ちょっと少なめのエネルギー量で練習に臨む」
という方針でロング対応をした。ここで「少なめのエネルギー量」とはトレーニング中に限った話で、終了後はしっかりと食べてたので注意ね。当時は糖質も脂肪もともに制限せず、ただ「大量の脂肪と大量の糖質を同時に摂ること」は控えていたはず。

そして、僕なりに満足できる結果 (2013Kona 個人記録を残すことができた。といって 表彰台は33分先、王者は55分先 にいたわけで、あくまでも個人的満足に留まるものではある。

でも運動苦手な僕が、始めて3年での初チャレンジで、最も参加人数の多い激戦カテゴリで世界選手権の上位13%に入れて、という過程を含めて、自分自身に満足できているというのもHappyなことだ。僕は「結果を他人に褒められるため」にKONAを走ったわけじゃないしね。

2015宮古島に向けて、脂肪活用を本格的に試してみようと思ったのだけど、「低糖質状態でトレーニングするということ」を優先目標にしてしまい、十分な練習強度を出せていなかった。ただこれは、作戦選択の失敗ではなくて、すでに気持ち的に完了していた、という面が強いのだが。そんな実験でもしてみないことには参加動機がなくなってた的な。

結論

"長距離スポーツへの低糖質食" を試してみるなら、まず "強度" との優先順位を明確にすると良いと思う。

それが「手段に縛られない、目的から考える」ということ。

目的から考えるとは、自分の目標レースをどこまで解像度高くイメージできるか? に行き着くだろう。

2019/03/03

「有酸素運動で脂肪燃焼」なんて古文書に替えて、「体重設定値」という最新減量法を。

僕は体重が増えやすいのだけど、減量もわりと簡単にできる。+-8%くらいの範囲内ではあるけど。
増量できる理由は簡単、胃腸が丈夫だからです、はい。
ではなぜ減量できるのか、最近の理論的発見をこの文章ではまとめてみたい。

<減量の教科書>
最新理論の理解には、2019/1刊の『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』by ジェイソン・ファン 一冊で良いかも。
一行でまとめれば、「体重の設定値」は肥満ホルモン=インスリンでだいたい決められているから、インスリンをコントロールすれば痩せられますよ、という話だ。
 逆にいえば、運動やカロリー制限は主たるターゲットではない。
Amazonレビューが(サクラでなく)割れる本は面白いこと多く、低評価派のいう通り、細かすぎる話も多いのだけれど、おかげで、どれくらい信用できるのかなんとなく伝わる。そもそも体重変化の仕組みは今の医学で完全にわかるものではなく、ましてシンプルに伝えるのは不可能。「まあようするにこんな感じ?」くらい思えたなら十分。

<「体重の設定値」という発想>
次に「体重の設定値」は、どうすれば低く抑えられるか?と考える。
僕の経験も交え整理すれば3要素あり:
  1. 睡眠
  2. 運動
  3. 食事
十分な睡眠は基本、かつ変なストレスがないことは(=変なストレスの最たるものは睡眠不足)、大前提になる。しっかり寝れてさえいる限り、あとは食欲にほどよく従って食べていれば、おかしなことにはならない。理想は7時間。

運動も、体重設定値をただしく保つ手段になる。運動によるカロリー消費量よりも、身体センサーを正しく機能させるためのメンテナンスとしての意味が強いのかもしれない。

食事については、「インスリン分泌のコントロール手段」と置き換える(or 精緻化する)ことが、この本の大きな特徴だ。

<太らない食事>
では、そんなインスリン適正化のための食事とは、
  • 減: まず精製された糖、次に加工度の高い穀物の摂取を減らす
  • 抑: タンパク質は総カロリーの2-3割に抑え
  • 増: 良質な脂肪、食物繊維をもっと食べる

これは『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』by 津川友介 2018/04
 など信頼できる類書とも共通する話だ。

「糖質」と言っても、穀物の加工度という視点からは、精製小麦粉+砂糖の白いパンより、精米しただけの白米の方が良質と言える。『太らないカラダ』では白米なら太る原因とはいえない、との立場で、一般的な糖質制限派とも違う。
砂糖のようなものを頻繁に食べていれば、インスリンは明らかに乱れるので、お菓子の増量効果はカロリー数値以上に高いということだ。

<ファスティングの本質>
これら基本を踏まえた上で、インスリンをコントロールする有効な手段として、この本では、
  • 間欠的ファスティング=時間限定のプチ断食
を勧めている。

ただし、あくまでもインスリンのコントロールの一手段としての推薦なので、同等以上の効果があるなら別のものでいいわけで。だいだい僕は断食なんて嫌だし。

そもそも『太らないカラダ』を書いたジェイソン・ファン医師は、腎臓病・糖尿病など内臓疾患を治療する専門医であり、「運動」は幾つかある選択肢の一つに過ぎないし、運動がマトモにできなくなっている患者さんも多いことだろう。

しかし、今この文章をお読みの皆さんは、多くが運動を前提に体重コントロールをお考えであるだろう。この立場の違いは、意識して読んだ方が良い。

そんな運動派のみなさん(たぶん)に僕が提示したいアイデアがひとつ。
「強度の高いトレーニング」は、ファスティングに相当、もしくはそれ以上なのではないだろうか?

<有酸素運動の本質 〜なんてものはない!>
こう考えると、「有酸素運動で脂肪燃焼」という20世紀にばらまかれた古文書の限界を考えずにはいられない。

これ先日ツイートしたら表示3万超と割と読まれた。拡がる余地があったということで、もっと知られるべき話ってことだろう。

「有酸素運動」とは往々にして単なる「ユルいダラダラ運動」でしかない。にもかかわらず、「有酸素運動で脂肪燃焼」という昔の呪文を唱えることで、あたかも脂肪を減らすことができるかのような誤解がひろまっているのではないだろうか?

しかし、それでは現代文明で鈍った身体に対して、ユルくて閾値を下回る程度の刺激しか与えることができないのではないかな? おもいっきり運動できる健康な僕らは、しっかりと高い負荷を正しい方法でかけることで、「体重の設定値」を適正にセットすることができるのではないだろうか?
2月、粉雪の舞う都内で自転車を走らせ2015宮古以来ほぼ4年ぶり再開したムロヤさんには「いつでもレース復帰できそうな身体やね!」と社交辞令いただいたのだが太っていないこととレースできることは同じではなく、笑
・・・

スポーツにおける脂肪活用力を高めたいのなら、私が企画&執筆した連載
❝ 「糖質制限 × 長距離スポーツ」という手法の教科書 ❞
シリーズもお読み下さいな。



この手の話題もさらに深めていく予定なので、もっと知りたい方、SNSフォローください。