2019/01/06

40代からタイムを上げる基本:VO2maxとLT

WIRED記事
「40代からマラソンのタイムを上げるには? ランニングと年齢をめぐる最新科学」 との2019/1/2付の長いWIRED記事。こんなタイトルつけられたら読まずにいられない笑。いろいろ書かれているけど、まとめれば、

  1. 最大酸素摂取量(VO2 max) =maximal oxygen consumption, Vはvolume
  2. 乳酸性作業閾値(LT値) =lactate threshold, もしくは無酸素性作業閾値/AT=Anaerobics Threshold

を高める目的でトレーニングしろ、てことだと解釈した。

この2つは「長距離競技の3大要素」でもある。残りの3つめはエコノミー=動作技術だけど、性質が違うので、ここでは触れない。

1つWIRED編集部につっこんどくと、記事の内容は、最新科学をまとめた情報集というより、アメリカのWIRED編集長NICHOLAS THOMPSON44歳が自ら体験したものを、じっくりと書き上げたルポルタージュだ。サブタイトルの「最新科学」とは日本側がPV獲得のために、、、読者のことをおもって気を効かせ追加した風でミスマッチ感ある。

その体験内容は正しく、大迫傑が日本記録更新したシカゴ2018で2:38の自己ベストを出してておめでとう。もともと30歳で2:43で走っている力があり、ただ若さと体力に任せた練習を漫然と続けていたので、加齢により落ち始めた、という美味しい状況=そら何やったて効くよ笑=からのスタート。で実際、意図を明確にしたトレーニングに切り替えて、出した2:38という結果が素晴らしい。

アメリカ版の原題は "AN AGING MARATHONER TRIES TO RUN FAST AFTER 40"  "TRIES"=数々の試み、という表現がより正しい。日本版PV気にしすぎ気を利かせすぎ(笑

記事には他に「ビーツのジュースを飲む」とかあるけど、僕の読者にそれ真に受ける人そんなにいないと推測する。要するに、いろんな野菜果物食べようね、という話だよね。


1.VO2maxはどうすれば高められるのか?

その定義からシンプルに考えれば、「エンジンの排気量」に喩えられる最大酸素摂取量を高めるには、2〜5分間くらいの「ほぼオールアウト」(正確にはちょっと手前)のインターバルが主となる。1回に3−6本くらい、週1−2回の頻度で、2-3週間続けてみればいい。

ランニングなら1−2km走。バイクならローラー(インドアトレーナー)の2〜5分間走がやりやすい。時速40kmで2km走ると3分間、60kmhなら2分(無理)。この強度を公道でやるのは僕は怖い。

これを応用すると、「2〜5分間のパフォーマンスは、どのようにすれば上げれるか?」という問いになる。その答の1つがタバタ式などの10〜30秒間の高強度インターバル(HIIT)。最近流行ってるのは、そのスポーツ科学的なエビデンスが出てきたことが大きい。ただトップ選手たちはエビデンスなんて待たずにとっとと実行してきたこと。エビデンス依存は弱さの表れってこともあるから注意だ。

その中間、ランの400mインターバルも同じ効果がある。

これだけです。きちんと実行できる限り←これ難しい

最新スポーツウォッチは(僕のSUUNTO Spartanも)推計値を出してくれるけど、しょせんは推計値。それで速くなるとは思えない。ただ、「気分がアガる」という効果はあるだろう。副作用もあり、余計な情報に脳のリソースを取られて、本質への集中を妨げられかなねいことだ。

最新デバイスの意味はそこではなく、より正確なGPS計測により、1kmや2kmのタイムをより正確に把握できることにある。正確な1kmを走ったタイムなら「絶対的な数値」だ。
HIIT系は感覚に頼るのが基本だけど、バイクのパワーメータならクリアできるか。スイムの25mダッシュインターバルもそうだけど、プールの集団練習は水流に乗るので、それ次第でタイムが変わる。


2.LTはどうすれば高められるのか?

エンジンの「レッドゾーン」の境目という喩えが的確な乳酸(or 有酸素運動)閾値には、やはり定義から、20−60分間の一定ペース走が基本。記事にあるランニング15km走もその1つだ。僕が好きなのは徐々にペースを上げて最高速フィニッシュするビルドアップ走。

こっち側はやってる人多いと思われ、そう問題ではないだろう。
https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10213020049271601&set=a.1912044116487

では、なぜ40歳からこの2つを意識するべきなのか?

その大きな理由は、記事にもあるように、筋肉量は年齢とともに減少するから。
それにより、まずVO2MAX域のパフォーマンス低下を起こす。
上限が低下するわけだから、持続可能なLTゾーンも低下する。

逆に言えば、30代くらいまでは、意図の不明確な練習でも、筋肉量は維持され、パフォーマンスも高く維持しやすいのだろう。特に練習量が豊富に取れる場合には。

しかし加齢により疲労回復も遅れるから、昔のような練習の質と量もできなくなる。これは仕方ない。差がつくのは対応で、そのために、まずは課題を明確にしておくべきだ。

このWIRED記事は、実際それで効果出たよ、という証拠固めといえる。


僕はスピード教の信者です

よく見かける(気がする)のは、
  • LT側=持久力に偏重し、
  • VO2側=スピード不足のまま
であるために、トータル成績が伸び悩むケースね。この場合、「練習距離は多いのに???」てなりがち。LT錬(正確には強度不足LTもどき練)は距離を稼げるから。

初心者レベルでは、「高強度で追い込む感覚」に慣れていないことによる「強度不足LTもどき練」も多い気がする。

僕の経験的学びでは、
  • エコノミー=動作技術の向上には、最高速度チャレンジが役に立つ
  • 特にバイクでは、短距離のスピード向上は、距離を伸ばしても持っていける
などある。

かくして「長距離競技の3大要素」が全てクリアされるわけで、結局、スピードが多くを解決すると思っている。

さらなる長距離化
競技時間が90分を超えてくると、さらに「脂肪燃焼能力」というテーマが浮上する。この点は改めて

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