2019/03/03

「有酸素運動で脂肪燃焼」なんて古文書に替えて、「体重設定値」という最新減量法を。

僕は体重が増えやすいのだけど、減量もわりと簡単にできる。+-8%くらいの範囲内ではあるけど。
増量できる理由は簡単、胃腸が丈夫だからです、はい。
ではなぜ減量できるのか、最近の理論的発見をこの文章ではまとめてみたい。

<減量の教科書>
最新理論の理解には、2019/1刊の『トロント最高の医師が教える 世界最新の太らないカラダ』by ジェイソン・ファン 一冊で良いかも。
一行でまとめれば、「体重の設定値」は肥満ホルモン=インスリンでだいたい決められているから、インスリンをコントロールすれば痩せられますよ、という話だ。
 逆にいえば、運動やカロリー制限は主たるターゲットではない。
Amazonレビューが(サクラでなく)割れる本は面白いこと多く、低評価派のいう通り、細かすぎる話も多いのだけれど、おかげで、どれくらい信用できるのかなんとなく伝わる。そもそも体重変化の仕組みは今の医学で完全にわかるものではなく、ましてシンプルに伝えるのは不可能。「まあようするにこんな感じ?」くらい思えたなら十分。

<「体重の設定値」という発想>
次に「体重の設定値」は、どうすれば低く抑えられるか?と考える。
僕の経験も交え整理すれば3要素あり:
  1. 睡眠
  2. 運動
  3. 食事
十分な睡眠は基本、かつ変なストレスがないことは(=変なストレスの最たるものは睡眠不足)、大前提になる。しっかり寝れてさえいる限り、あとは食欲にほどよく従って食べていれば、おかしなことにはならない。理想は7時間。

運動も、体重設定値をただしく保つ手段になる。運動によるカロリー消費量よりも、身体センサーを正しく機能させるためのメンテナンスとしての意味が強いのかもしれない。

食事については、「インスリン分泌のコントロール手段」と置き換える(or 精緻化する)ことが、この本の大きな特徴だ。

<太らない食事>
では、そんなインスリン適正化のための食事とは、
  • 減: まず精製された糖、次に加工度の高い穀物の摂取を減らす
  • 抑: タンパク質は総カロリーの2-3割に抑え
  • 増: 良質な脂肪、食物繊維をもっと食べる

これは『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』by 津川友介 2018/04
 など信頼できる類書とも共通する話だ。

「糖質」と言っても、穀物の加工度という視点からは、精製小麦粉+砂糖の白いパンより、精米しただけの白米の方が良質と言える。『太らないカラダ』では白米なら太る原因とはいえない、との立場で、一般的な糖質制限派とも違う。
砂糖のようなものを頻繁に食べていれば、インスリンは明らかに乱れるので、お菓子の増量効果はカロリー数値以上に高いということだ。

<ファスティングの本質>
これら基本を踏まえた上で、インスリンをコントロールする有効な手段として、この本では、
  • 間欠的ファスティング=時間限定のプチ断食
を勧めている。

ただし、あくまでもインスリンのコントロールの一手段としての推薦なので、同等以上の効果があるなら別のものでいいわけで。だいだい僕は断食なんて嫌だし。

そもそも『太らないカラダ』を書いたジェイソン・ファン医師は、腎臓病・糖尿病など内臓疾患を治療する専門医であり、「運動」は幾つかある選択肢の一つに過ぎないし、運動がマトモにできなくなっている患者さんも多いことだろう。

しかし、今この文章をお読みの皆さんは、多くが運動を前提に体重コントロールをお考えであるだろう。この立場の違いは、意識して読んだ方が良い。

そんな運動派のみなさん(たぶん)に僕が提示したいアイデアがひとつ。
「強度の高いトレーニング」は、ファスティングに相当、もしくはそれ以上なのではないだろうか?

<有酸素運動の本質 〜なんてものはない!>
こう考えると、「有酸素運動で脂肪燃焼」という20世紀にばらまかれた古文書の限界を考えずにはいられない。

これ先日ツイートしたら表示3万超と割と読まれた。拡がる余地があったということで、もっと知られるべき話ってことだろう。

「有酸素運動」とは往々にして単なる「ユルいダラダラ運動」でしかない。にもかかわらず、「有酸素運動で脂肪燃焼」という昔の呪文を唱えることで、あたかも脂肪を減らすことができるかのような誤解がひろまっているのではないだろうか?

しかし、それでは現代文明で鈍った身体に対して、ユルくて閾値を下回る程度の刺激しか与えることができないのではないかな? おもいっきり運動できる健康な僕らは、しっかりと高い負荷を正しい方法でかけることで、「体重の設定値」を適正にセットすることができるのではないだろうか?
2月、粉雪の舞う都内で自転車を走らせ2015宮古以来ほぼ4年ぶり再開したムロヤさんには「いつでもレース復帰できそうな身体やね!」と社交辞令いただいたのだが太っていないこととレースできることは同じではなく、笑
・・・

スポーツにおける脂肪活用力を高めたいのなら、私が企画&執筆した連載
❝ 「糖質制限 × 長距離スポーツ」という手法の教科書 ❞
シリーズもお読み下さいな。



この手の話題もさらに深めていく予定なので、もっと知りたい方、SNSフォローください。

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