2018/09/15

「大坂なおみのダイエット」と糖質制限の真実

もしくは、世界最先端の食事マネジメント術について説明しよう。

大坂なおみ選手、テニス全米オープン2018優勝記念の来日記者会見が、この木曜朝にあった。僕はちょうどアポの時間調整で日本橋あたりのDocomoショップ店内のWifiを使っていて、ちょうど生中継を店内のテレビで見ることができた。

会見中、「ダイエット」という言葉がギャルの減量みたいに受け取られ、笑いが起きていた。しかしDiet=食事、アスリートが使う時は「目的を持った食事のマネジメント」を意味する。日本の大衆文化とグローバルな最先端スポーツとの温度差が、ナオミ選手の微妙な表情から伝わってくるかのようでもあるけど気のせいかも。

その食事の詳細が、"teenVOGUE" ウェブサイト9/11に掲載されている。
Naomi Osaka on Mental Health and Training to Face Her Idol at the U.S. Open
食事面のポイントを抜くと:
  1. オフシーズン: 茹でた鶏肉・野菜中心、糖質は単独では摂らない
  2. 大会前: 炭水化物を摂らない
  3. 大会2週間: 朝食は同じサーモンベーグル
  4. 試合中: 必要量の糖質を補給、バナナも食べる
八田の推測を交えて解説すると:
  1. オフシーズン=減量期: パフォーマンス不要の時期に余分な脂肪をカットしておく。筋トレも積んでゆくと思う。食事内容は、高タンパク×低糖質×低脂質。なおブロッコリーにもそれなりに糖質が含まれていて、完全カットしてるわけでもない
  2. トーナメント前=耐久性能向上期: 体脂肪活用能力を高めるための低糖質食であり、減量目的ではないはず。おそらく高脂肪食。筋トレはせいぜい維持程度かな。
  3. 食事での糖質を(ほどほどに)解禁し、即戦力エネルギーであるグリコーゲンを充填する。ただし20世紀型の「カーボローディング」はしない。また同じ朝食にするのは「ルーティン化」し集中する目的であるのは、食事以外も同様
  4. おそらく試合に限らず、多くのフェーズで、練習中も必要な糖質を控えめに補給しているとも思う(半分に薄めたポカリスエット的なのとか)
このメソッドは、世界の長距離スポーツ界で行われるものと共通するのは、僕がふだんFacebookとブログ(旧ココログ)で言ってきた通りだ。

いわばナオミオオサカはトライアスリートのようにフィジカルを作り上げてきたわけだ。一方でセリーナは筋肉量は十分だが脂肪も載ったシーズン前キャンプ入りした野球選手のような状態であったよう見える。試合開始時点でセリーナとのフィジカル面、すくなくとも耐久性能での勝負はついていた。
「セリーナ、おまえはすでに負けている」
の余裕がメンタル差をうんだ、ともとれるかな。

動画はこちら:

なおこの記事を最初に知った日本のネットメディアでは新女王の食生活は「炭水化物はとらない」なんて書かれている。そんなわけはない笑

すべては目的をもった脂質と糖質のマネジメント。ギャルじゃないんで笑

0 件のコメント:

コメントを投稿