2019/04/18

“糖質制限 × 長距離スポーツ” 国内事例が出はじめた

2019年4月 宮古島トライアスロン の蒸し暑さ、優勝戸原プロ、7位竹谷コーチ、そしてM45-49カテゴリ1位の青木医師、と競技力が高く、熱中症リスクも熟知される方々が続々と熱中症にハマりかけていた模様。ハマりきらずに好成績で終えるのは皆さんさすがだ。レース前半の雨で警戒心がなくなったのも効いていそうだ。
暑さ慣れしていないこの時期、ちょっとした気温湿度の上昇で、リスクが急上昇するのは、5月のショート横浜なども同じ。まったくトライアスロンとはややこしい。

宮古島ジャンプアップの成功要因4つ

そんなタフな宮古で、前年から40分以上の短縮、総合14位、最も元気なM30-34カテゴリ1位(総合Top10繰り上げ対象は戸原&栗原の両プロなので一般人1位)、と素晴らしい成果を上げた菊池朋明さんが、ブログでその成功要因を4つ挙げておられる。


長距離レースでのジャンプを目指す方なら、読んでみるといい。
まず、
  • Training Peaksを活用した量の管理
  • バイクは99%Zwift
この2つの採用者は今すごく多い。違うのは、徹底度の差ってことだろう。

では、
  • 糖質制限生活を半年間
  • 痛みをマネージメントする
この2つは、どうだろう?
❝ 考え方が合わない人は読み飛ばしてください ❞
という話であることを前提に、少し説明しよう。

“糖質制限 × 長距離スポーツ” 

このKikuchiさん、鎖骨骨折で練習できない間に体重を増やさない、という目的で禁酒と食事管理を始めたのが、そもそものきっかけ。そして、
❝ エンデュアランス系のトップアスリートが脂質代謝を上げるために糖質制限を実施していることを知りました。糖質制限は一般的にダイエット目的の人が多いので、アスリート向けにはノウハウがあまり出回っていませんでした。しかし、こちらのセミナーは超絶アスリート向けで勉強になりました! ❞
と書かれている、まさにそのセミナーの講義録が、こちら。
 “糖質制限 × 長距離スポーツ”の教科書 by 小谷修平   (2019.01, MAKESウェルビーイング・ラボ)
半年間の継続とは、小谷修平さん が勧めている期間とちょうど一致する。
連載第4回のこちら:
 4. 適応へのプロセス 
から引用すると、適応には、一般論として半年あれば十分で
  • 直後: お腹がすいてイライラ
  • 3週間後:「食習慣」として慣れてくる
  • 2ヶ月後: 運動がそれなりにできる
  • 3ヶ月後: スピード練習など、強くなるための良い練習ができる
  • 4〜4.5ヶ月: 良質な練習の効果により、元のレベルに戻る
  • 半年後: メインレースに挑める
とおおざっぱな目安が示される。小谷さん自身は、3ヶ月で既に❝ 過去最高の自分になっているのでは?という感覚 ❞が得られている。

その結果、Kikuchiさんも
❝ 今回の宮古島も内臓は快適そのもの。去年の補給の半分で走りきれました。ランではいつもジェルも受け付けなくなるのですが、今回は空腹感を感じる余裕がありました。補給を入れられるとはっきり言って楽です。戦うべき対象が減ります。 ❞
という成果を手にしている。そして栄光の宮古島トップ10まであと4人!

宮古島2015(本年落選)
なお、「痛みをマネージメントする」という点は、
 痛みのマネジメント論 by 河合隆志  (2019.03, MAKESウェルビーイング・ラボ)
ご参照を。これも故障を防ぎながらパフォーマンスを上げるための大事な考え方だと思う。

「日本語の壁」を越えて 

糖質制限でのスポーツ活用は、他にも取り組み事例を聞くようになっていて、どれもこの小谷セミナー特集記事を教科書にしてもらっている。

別の例を挙げると、たとえば「女性の筋トレ」という流行は、日本は欧米から10年遅れて、最近ようやく普及しつつある状況かなと思う。「日本語の壁」により、英語情報圏との時間差が発生しているのだろう。今やアジアでも都市域の中上位階層は英語圏ともいえ、ここからも日本人の多数派は遅れを取るようになっていくかもしれない。

そんなテーマの1つが、女性の出産とスポーツの関係、その意識差については「妊娠中&出産直後のトライアスロンby 西村知乃」などどうぞ。


こうした先進情報、これからも追いかけていくのでよろしくどうぞ。

※なお私、復帰レースは51.5kmで9月なので、糖質制限トライアスロンする予定ないのであしからず〜糖質の質を上げるマネジメント度は上げていて悪くない感じですけども

0 件のコメント:

コメントを投稿